(基盤技術研究促進センターの設立とその背景)
基盤技術研究促進センター(以下「基盤センター」という。)は、昭和60年10月に基盤技術研究円滑化法(昭和60年法律第65号)に基づき、通商産業大臣及び郵政大臣(平成13年1月6日以降は経済産業大臣及び総務大臣)の共管の下に設立された特別認可法人である。
昭和60年当時の我が国は、工業製品の輸出力が高いにもかかわらず、民間の研究費の中で基盤技術研究費の割合が低かったことや、民間研究への政府支援が欧米に比べて少ないことに対して、欧米諸国から「基盤技術ただ乗り論」の批判を受けており、基盤的、先端的分野の技術水準を向上させる必要に迫られていた。このような背景の下、民間において行われる基盤技術に関する試験研究(以下「基盤技術研究」という。)を促進するための中核機関として基盤センターが設立され、以降、新素材、バイオテクノロジー、通信処理などの基盤技術研究に必要な資金に対する出資事業及び融資事業を行ってきた。
(基盤センターの事業資金)
基盤センターの上記事業の資金は、その全額が産業投資特別会計の資金(以下「産投資金」という。)で賄われている。60年4月に、日本電信電話株式会社の設立に当たって発行された株式1560万株のうち、3分の1に当たる 520万株が政府保有義務株とされた。これから見込まれる配当260億円は産業投資特別会計に帰属することとなり、毎年度同程度の額が同特別会計から基盤センターに出資金又は貸付金として交付されている。
(今後の見通し)
基盤センターの12年度末における出資金残高は、研究開発中の会社11社に対する440億0025万円、成果管理会社47社に対する2100億7060万円、計2540億7085万円であるが、前記の繰越欠損金がそのまま欠損金として処理されるとすれば、基盤センターでは約2380億円損失処理することとなる。一方、特許権等の譲渡による収入は期待できるものの、これまでの特許収入等の状況をみると、大幅な出資金の回収を図ることは困難な状況になっている。
5 本院の所見
基盤センターの出資事業は、民間の基盤技術研究の強化及び円滑化を図ることで、国民経済の健全な発展、国民生活の向上、国際経済の進展に寄与することを目的として実施されてきたが、一方では、研究開発の成果である特許収入等の利益による配当等で出資金の回収を図ろうとするものであった。しかし、前記のとおり、現実にはこのスキームによる出資金の回収は困難であることが明らかになってきている。
総務省及び経済産業省の見直しに基づき、新たに通信・放送機構及び新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施する事業は、共同出資・共同研究方式を単独企業も対象とする委託方式に改め、研究成果である知的財産権は受託企業等に帰属させ、研究成果の事業化に成功した場合には、その収益の一部を納付させることとした。このようにスキームは変更したが、基盤技術研究の成果の事業化には少なからぬリスクが伴うという事情に変わりはなく、研究成果の活用を促進するためには、実用化のための技術的課題や市場の動向を注視して事業化が可能かどうかの評価を適切に行い、採択や継続の適否を的確に判断することが肝要である。また、研究成果による収益の発生を的確に把握する方策を検討していくことが望まれる。
なお、基盤センターにあっては、ほとんどの成果管理会社において一般管理費等の経費が収入を上回っている現状の下で、残余財産の減少を防ぐために速やかに解散手続きを進める要があるが、その際には、特許権等の成果及び株式の処分価額について適正を期すことも肝要である。
基盤技術研究促進センターにおける出資事業について
http://report.jbaudit.go.jp/org/h12/2000-h12-0625-0.htm
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教えて貰ったサイト
官民ファンド産業革新機構のベンチャー投資が全損だらけ
失敗案件に追加出資してさらに税金をドブに捨てる : 知識連鎖 (旧・千日ブログ)
http://1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-3722.html
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